こんにちは!古代の叡智と現代の科学、両方の視点から「最高の自分」を目指すヒントを発信している、ももです🍑
かつての私は、「頑張れば、なんとかなる」が口癖でした。「自分に合っていない」と感じる環境でも、周りの期待に応えようと自分の心に蓋をし、「私ならできる」と我慢を重ねた結果、ある日、身体が悲鳴をあげ、救急車で運ばれた経験があります。
常に身体が重い。風邪をひきやすい。それは決して「普通」ではない。その当たり前の事実に気づくまで、私は随分と遠回りをしてしまいました。
この経験から私が学んだのは、「自分の心の声に、正直になること」の大切さです。そして、その知恵は、驚くべきことに、約2500年も前からヨガの教えとして、語り継がれていました。
今日は、ヨガの最初のステップである「ヤマ(Yama)」を通じて、頑張りすぎてしまう私たちが、もっと楽に、もっと軽やかに生きるための、5つのヒントをお話しします。
「ヤマ」とは何か?頑張る前に、まず「やめる」こと
ヤマとは、一言でいえば「日常生活において、やらない方がいいこと」。私たちの心の平穏を乱し、人間関係のトラブルを引き起こす「5つの習慣」です。何かを始める前に、まず「やめる」ことから始める。非常に合理的だと思いませんか?一つずつ見ていきましょう。
1.サッティヤ(正直):自分の「本音」に嘘をつかない
ヤマの中で、私の経験と最も強く結びついているのが、このサッティヤ、「正直である」という教えです。これは、他人を騙さないことはもちろん、「自分自身の本当の気持ちに、嘘をつかない」ということです。
「本当は辛いのに、大丈夫なフリをする」「本当はやりたくないのに、期待に応えようと引き受けてしまう」。かつての私のように、心と行動がズレている時、私たちは自分自身を騙し、確実に心と身体を蝕んでいきます。自分の「心の声」を無視しない。それが、倒れる前に自分を守る、最初のセーフティーネットです。
2.アヒンサー(非暴力):自分を言葉で「攻撃」しない
「期待に応えられなかった…なんて私はダメなんだ」 過去の私は、うまくいかないことがあると、常に自分を責めていました。このネガティブな自己対話こそが、自分自身に対する、最も身近な「暴力」だと、ヨガは教えてくれます。自分に優しくなれて初めて、私たちは他人にも本当の意味で優しくなれるのです。
3.アスティーヤ(不盗):他人の幸せで、自分を傷つけない
アスティーヤは「盗まない」こと。ヨガではこれを広く捉え、SNSで誰かの成功を見て嫉妬することも、一種の「盗み」だと考えます。なぜなら、その瞬間、あなたは自分自身の「心の平和」という時間を、自ら奪っているからです。他人の人生と自分の人生を切り離し、自分の足元にある幸せに目を向ける練習です。
4.ブランマチャリヤ(省エネ):自分の「エネルギー」を無駄遣いしない
私たちの集中力ややる気は、有限です。その貴重なエネルギーを、なんとなく人の噂話をしたり、ゴシップニュースを追いかけたりすることに、浪費してはいないでしょうか?ブランマチャリヤとは、自分のエネルギーを、本当に大切なこと、自分を健やかに、そして成長させてくれること(=未来の自分を喜ばせること)に、意識的に使う知恵です。
5.アパリグラハ(不貪):モノを溜め込まず、シンプルに生きる
「これを手に入れれば、幸せになれるはず」という所有欲は、時に私たちの心を縛ります。アパリグラハは、「必要以上に求めない、溜め込まない」という教えです。これは、モノだけでなく、情報や人間関係にも言えます。自分にとって本当に必要なものだけを選び取り、シンプルに生きることで、驚くほどの心の自由が手に入ります。
まとめ:「自分に優しくする」とは、どういうことか
このヤマの5つの教えは、「〜するな」という禁止事項ではなく、「自分に優しくするための、具体的な方法」だと、私は解釈しています。
自分の心に嘘をつかず(サッティヤ)、自分を責めず(アヒンサー)、他人と比べて自分を傷つけず(アスティーヤ)、自分のエネルギーを大切に使い(ブランマチャリヤ)、自分にとって本当に必要なものだけを選ぶ(アパリグラハ)。
これができるようになって初めて、私は「食事や運動で、未来の自分を喜ばせてあげる」という、本当のセルフケアができるようになりました。
【今日からできる、心の筋トレ】
この記事を閉じた後、ぜひ一つだけ試してみてください。
次にあなたが、スマホのSNSアプリを開いて、他人の投稿を見たくなった時。その指を、ほんの一瞬だけ止めて、「私は今、この情報を見て、本当に幸せになるかな?」と、自分に問いかけてみてください。
これは、他人の人生に心を奪われそうになる自分に気づく、「アスティーヤ(不盗)」の最高の練習です。そして、その一瞬の「気づき」こそが、あなたの人生を、より穏やかで、力強いものに変えていく、何よりも確かな第一歩です。